ルビーに入っているインクルージョンを見て分かること…
ルビーの原石の中にある「インクルージョン」を見ているところ。
私たちプロの宝石商は、その赤い石を見分けるのに「インクルージョン=内包物」
を必ず確認します。
下の写真は、カット研磨した後のルビーですが、ライトを照射して拡大すると
この様に、インクルージョンが見えます。
ルビー中央(テーブル面)にアパタイトと思われる結晶が確認できます。
アパタイトは、ミャンマー産の天然無処理で美しいルビーに見られる特徴的な
内包物です。アパタイトは、カルシウムが主成分の結晶ですが、このルビーの
中に結晶する前の姿は…
この白い大理石(岩石)でした。
この白い岩は、「母岩=ホストロック」といって、宝石が育つ環境を決めるもの。
ということは、写真のアパタイトが確認できるルビーは、この白い大理石を母岩と
して育ったことが分かり、自ずと「ミャンマー、タジキスタン、アフガニスタン、
ベトナム」のどこかで産出されたことが分かるのです。
また、加熱処理をすると白濁したりして変質するので、処理の有無を見分ける
手掛かりにもなります。
ルビーのインクルージョンは、そのルビーの個性であり、色々なことを語って
くれます。
ブログでは、キレイなインクルージョンを公開していきたいと思います。