2.99ct の原石をカット研磨したら…どのくらいの大きさになるのか?
天然無処理で美しいミャンマー産のルビーの原石はとても貴重です。
どこをテーブル面にするのか?
どこにガードルを作るか、キューレット(宝石の下部のとがった部分)をどこに
するのか?また、その角度はどうするのか?
また、少しでも大きく残すためにはどうすれば良いのか?
ルビーのカット研磨作業は経験が問われます。
まずは、テール部面どこに持ってくるのか?
手の感覚で、テーブルを作ります。
このテーブルを作った時に、しっかりと赤色が出ているかどうかは大切です。
テール部面は、結晶の軸方向に垂直になっていないとルビーの場合は、
ピンク色とオレンジ色の混じった妙な色になってしまいます。
後から変更ができない、最も重要なポイントです。
その次はクラウンを作って行き、その作業の中でガードルの位置が決まります。
この時点で2.68ctになりました。そして、キューレット(宝石下部の尖った部分)
を作ります。
この作業は、ルビーの大きさをなるべく大きく残しながら、最高のルビー色が
出すには微妙な調整が必要で、経験が問われるところです。
この段階で2.30ct、後は、形の微調整を行いながらスターとステップをつけて、
研磨してきます。
最終段階手前のチェック時点で2.08ct。
出来上がりは2.05ctになりました。
これは、上手く行ったケースで、通常は原石に対して55%~60%の重さが残ります。