ルビーの品質別の出現率と最高品質(ジェムクオリティの希少性)

 

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天然ルビー(無処理で美しい)はとても希少性が高く、文字通り「宝探し」です。

産出されるルビーの原石がすべて品質の高い宝石であれば良いのですが、自然は人の都合には合わせてくれません。産出されるほとんどは、透明度が無く、磨いても宝石として使えない品質の原石です。下の写真のように、珍しいモノではありません。これを加熱などの人為的な処理をして商品化したのが、一般に流通するルビーです。

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これらの美しさに欠ける原石は、無処理で宝石として使うことができませんので、私たちプロが宝石を見分ける時に使う下の図クオリティスケールの枠の中に入りません。美しさをレベルの高い方からSABCDの順で、色の濃淡を左の番号で表すモノですが、美しさはDの枠の外になります。

 

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さて、天然無処理で美しいルビーの品質をクオリティスケールで見た場合、SかAは特に美しいモノで、色の濃淡は6か5が青いエリアに区分されますが、ジェムクオリティと呼ばれる最高品質で資産性があるモノです。グレーのゾーンもジュエリーなどに使われる美しいモノ、黄色のアクセサリークオリティでも充分にアクセサリーとして普段から楽しめる品質です。ですから、Dの枠に入らない原石は、いくら美しくても人為的に処理をして美しさを改良したルビーなので、潜在的に持つ価値は、黄色よりも低いことになります。

 

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さて、モリスは、出現率を調べるためにミャンマー北部のNam-Ya鉱山で4年間採掘を行いました。現場で出現率を調べた宝石商は、世界で初めてだったはずです。上記の写真は、日本宝石学会で発表したモノですが、天然無処理で美しいルビーの青い枠の中に入っている1ctを超えるルビーが見つかる確率は、天然無処理で使える原石の中でも2200個に1個の割合でした。

需要と供給のバランスで見た場合、青い枠に入るルビーの価値は驚くほど高くなります。

つい先日、サザビーズという欧米のオークションで、青い枠に入るルビーが、8ct(1.6g)9億円で落札されましたが、なぜその様な値段がついてしまうのか?というと希少性が極端に高いからです。