1㎜のルビーを大切に

ルビーは、お金の経済活動が始まる前、太古より大切にされてきた「宝物」。だから、鉱山の現場では、お金の力だけではルビーに出会えません…人と人のつながりや、ご縁が必要。そのご縁を紡いでくれたのが、直径1㎜の小さなルビーたち。10年前から、モリスは、周りの宝石商にバカにされながらも1㎜の天然無処理で美しいルビーを皆様にお届けし続けた。顕微鏡で観たら、1ctも0.01ctのルビーも何も違わない。違いを与えているのが、人の経済的な都合ぐらい。私たちは、小さなルビー専門ではないが、小さなルビーにたくさんのことを教えて頂いた。小さなルビーの出現率は、大きなモノの何十万倍。出会う頻度が全く違う。モリスがルビーに詳しくなったのは、この小さなルビー(仲間たち)のお陰です。モリスルビーには、1㎜の大きさでも、スタッフ、関係者の皆さんの何かが詰まっいるので、ご愛用いただく時、ご覧いただくときに思い出して頂けると幸いです。
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ルビーの色がお守りになったのは…



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  ルビーの語源は、旧ラテン語で赤を意味するルビウスであり、人類が最初に集めたり、作ったりした色です。人の遺伝子を解析すると氷河期に数千人にまで減ったといわれる人類が生き残ったのは、寒い時に暖めてくれた火、そして大型肉食動物に襲われたときに威嚇に使った火、凍って冷たくなった食物を温めてくれた火…等々、旧石器時代から人類を守った火と、お守りに使われる赤色(ルビー色)は、経験から学んだ火の力と、生理的に人の皮膚を透過し、血中酸素を増やし体温を保つことで抵抗力を上げてくれた赤色、赤外線を本能的に感じていたことなどが大いに関係しているはず。なぜ、王様が歩くところに赤い絨毯をひくのか?なぜ、箱入り娘を赤で飾るのか?等々、ルビーの色には人類史が関係しています。

宝石ルビー… なぜ見分けるのが難しいのか?

価値の高い宝石ルビーを探すのは、プロでも難しい。理由は、似たものが多すぎるため。有名で需要が高いが希少性も極端に高いため、同じものを作れば儲けることができたからです。(宝石の定義から見れば違うものですが…)
宝物の象徴であったルビーは、人工合成石が1883年にフランスのヴェルヌイ博士によって発明され、1908年に宝石ルビーとして世界中に商業的に販売されて行った頃を境に宝石としての地位を急速に失っていきました。宝石の定義は、美と希少と不変ですから、いくら科学組成が同じ鉱物であったとしても人の手によって数が増やせるモノであれば、当然、宝石の地位を失います。そう考えると、1970年代から盛んに行われて世界中に広がった加熱処理をして美しさを改良したルビーも同じ道をたどる可能性が高い。人工合成石とは違い天然石であるというところに境界線を引いて、処理をしたルビーの商品価値を守ってきましたが、これも加工数を増やしすぎたばかりにダイヤモンドよりも安くなってしまいました。短期的な商業を優先したために希少性に影響を与えてしまったという部分では、人工合成石と本質的に同じです。天然無処理で美しいルビーは、今も存在していますが、どれが天然無処理なのか?とても分かりにくくなりました。第三者である宝石鑑別業者が発行する鑑別業者が発行する分析結果報告書に「加熱された痕跡が認められない」とコメントされているモノを「非加熱ルビー」と呼んで希少性が高いと表現していますが、忘れてはならないのが、どこにも「無処理」とは書いていないところです。しかも裏書きには、「分析結果にて得られたデータを述べているだけで、品質を保証するものではない」と書かれています。販売する業者は、それをあたかも品質保証するものの様に使うのは問題があると考えます。誰も品質保証していないのに「非加熱ルビー」と品質を表しているような商品名だからです。ご購入を考えられている方は、宝石商に「天然無処理」であることを保証して貰うのが良いでしょう。プロの宝石商であれば、処理の有無を見分けるだけの眼があるでしょう。インクルージョン(内包物)を見てルビーの品質を判定する宝石商はプロです。
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宝石ルビーの価値を見分けるには


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宝石ルビーの価値を見分けるには、まず、そのルビーの品質を見分ける必要があります。
ポイントは、原産地と処理の有無、欠点の有無と程度です。
美しさや色の濃淡は、見た目である程度分かりますが、前述の3つのポイントは、専門的な技術が必要ですが、第三者の鑑別業者でさえ確実に見分けるのは難しいのが現状です。間違うと、価値が大きく違います。宝石商に「天然無処理」だと保証して貰うか、一筆書いて貰うのが得策です。

格の高い宝石ルビーとしては、当たり前のしくみ

宝石ルビーの価値は…「赤く美しく、もっとも頑丈な結晶」であり、人類に大切にされてきた歴史や慣習、そして産出量の少なさに裏支えされるシンプルなものです。

ただ…

原始人の時から人が大切にして来たものだから、ルビーの歴史は、「よく似たものを創ろうとした歴史」であり、ルビーと呼ばれるものに、宝石として価値を持たないものが、大多数になってしまった。鑑別書にも、「天然無処理です」と書かれているモノはない。「加熱された痕跡が無い…」とコメントされているだけで数千万のルビーが売買されているのが現状です。16年前までは、誰も分からない宝石になってしまっていました。

だから…

モリスは、原産地の鉱山まで行って調査を始め、現在も続けています。簡単ではありませんでしたが、一番シンプルな方法はトレーサビリティの確立です。採掘も、原石仕訳もカット研磨も鑑別情報収集も輸出入もお客様にお届けするお店もすべて管理すれば、責任の所在が明らかになり、品質保証ができる。

この仕組みができて…

ルビーは、シンプルに価値がある宝石に戻っていきます。

…モリスが、やっていることは、宝石ルビーを投機の対象にすることではありません。資産性が高いのは、格の高い宝石ルビーとしてごく当たり前のことだと思うのです。

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天然無処理で美しいルビーの価値


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京都にある長楽館のシャンデリア。

伊藤博文公が、100年前に命名した迎賓館。

今も訪れる人々を迎えています。

時を越えて受け継がれるものの重みを感じ

ます。

そういう視点で宝石ルビーをみると、

身に着けるものでありながら、1000年以上

前から残っているものもあり、300年前から

残っているものは、あまり古い部類に

入りません。

社会的な価値観、慣習においても宝石ルビー

は、確固たる地位を誇っています。


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ルビーの原石…鉱山ごとに少しずつ違う特徴

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写真は、Mogok鉱山で採れた六角形のルビーの原石。

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そしてこれは、同じミャンマーでも北部カチン州のNam-ya鉱山のルビーの原石。

ルビー原石は、三方晶または六方晶…三角形かまたは、三角形が六つ集まって六角柱になった形で産出されます。

鉱区で原石を見ていつも感じることは、私たち人間もこのルビーも母なる地球が産んでくれたのだということ。