相性の良いルビーと出会うには… 考えたら分からなくなるもの
だから、好き嫌いで選んでも間違いないお店かどうかをしっかりと確認して、後は自分の好みで相性の良いものを選んでください。
天然無処理で美しいルビーの出現率
ルビーが産出される地層…Nam-Ya鉱山、Mogok鉱山
写真は、ミャンマー最北部のカチン州Nam-Ya鉱山のルビーの原石が産出する地層
です。昔に流れ出し、地中に埋まった原石を土砂の中から探す漂砂鉱床という場所
で、下の写真のように見つかります。
一日で見つかった原石。
Nam-Ya鉱山の結晶は、小さいけど美しくて内包物などが少ないのが特徴です。
対してルビーでは世界的に有名なMogok鉱山…
漂砂鉱床もありますが、一次鉱床(プライマリーソース)もあります。
私の左手あたりにある黒っぽい線状の部分がルビーの鉱脈です。
母岩の中で結晶化した姿のままで採掘されるのがプライマリーソース。
ルビーの鉱山で感じる事は、地表に出てくる瞬間は、一次鉱床よりも二次鉱床
(漂砂鉱床)の方が自然でいいな…ということです。
無責任に感覚で話すべきではないと思いますが…
貴重な原石の形を活かして...っと思ったら、 ルビーの原石の形
ルビー鉱山から産出された原石
これは、モゴック鉱山から産出されたルビーの原石です。
お仲間の鉱区の方が持って来てくれました。
鉱区の皆さんが一生懸命に掘り当ててくれた原石ですが、残念ながら、宝石ルビー
としては、高い品質ではないので、いいオファーがしてあげられません。
宝石として素晴らしい、どんな品質の原石を探しているのか?
下の原石は、オーバーカラー(色が濃すぎ)
これは、内包物があり透明度が低く、色も弱い。
下の原石は、透明度が高く美しいのですが、色が弱い…
下の原石が、ルビーとして素晴らしい色になる原石ですが、上の原石が何百個ある
うちの1個あるかないか…
ルビーの価値は、原石の段階で決まっています。自然の産物である天然宝石は、
人の都合で産出量も変えられないし、資源が無くなったら、それで終わり。
いま、天然無処理で美しいルビーをお持ちの方は、どうぞ、「お宝の石」だ
と、その他の人為的に合成したものや品質を改良したと違うので、大切に受け継いで
頂けるように、そして、そのまた次の世代に受け継いで貰えるように、
メッセージを考えておきましょう。
宝石ルビーが見つかった瞬間の喜び
宝石ルビーを採掘する作業は、大変です。電気も水道もない山奥で、来る日も、
来る日もキツイ作業を続けます。
採掘の風景は先日のブログでご覧いただきましたが(Nam-Yaの漂砂鉱床)、
最後に比重の重たい大きめの石ころに混じって小さなルビーが見つかります。
右手の前あたりにある黒い石の集まりが、比重の高いコランダムの小石
(ルビー、サファイアの鉱物名)の集まりです。
水で洗った土砂の中から砂金を探す方法と原理は同じですが、コランダムの中の
透明なルビー、サファイアかどうかの判断は人の眼で見分けます。
天然無処理で美しい結晶は、1個…その希少性は現場に近くなれば、なるほど、
強く感じます。
見つかった時は、たとえ…そんなに立派な品質でなくても(クオリティースケールの
色の濃淡では#2ぐらい)宝物を発見した!と、とても、とても嬉しいのです。
まるまる1日で、これ一つですから、思わず、笑顔になります。
私たちモリスは、この黒っぽいコランダムは、このまま土に戻します。
この原産地で「宝物」に感じたものが「宝石」だと信じているからです。
この後、この原石たちは、ヤンゴンへ送られて行き、カット研磨、データ収集
が行われます。